駿河湾から静岡県の内陸部を想定震源域とするマグニチュード(M)8クラスの東海地震は、南海トラフ沿いで想定される大規模地震の一つ。この地域では1854年の安政東海地震の発生から現在まで大規模地震が発生していない▼20代前半まで同県内で過ごした。長年にわたり地震・津波を想定した避難訓練が定期的に実施されており、小学校の児童は防災頭巾をかぶって集団下校するなど、大人から子どもまで災害への危機意識が高い地域と言える▼先月28日にミャンマー中部を震源とする大規模地震が発生した。長大な断層の一部が破壊された内陸型地震で、過去からM7クラスの大規模地震が頻発していたという。だが今回の震源地周辺は、同クラスの地震が200年近く発生していない空白域だったようだ▼日本では南海トラフ巨大地震の被害想定が見直された。これまでの対策効果は一定程度あるものの、依然として強い揺れや津波で甚大な被害が広域で発生するリスクは大きい▼小欄は勤務地が変わり、きょうから東海・北陸エリアを担当。これからも紙面で防災・減災対策の重要性を発信し続けていきたい。