神奈川県/厚木市など3市と自走式ロープウエー導入検討、25年度に研究会設置

2025年4月2日 行政・団体 [6面]

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 神奈川県は2025年度、厚木、藤沢、三浦3市と自走式ロープウエーの導入に向けた検討に着手する。県と3市に開発事業者を加え、研究会を立ち上げる。25年度予算に新たな交通システムの展開として10百万円を計上した。需要や費用対効果などの導入可能性調査業務も委託する。県は安全性・利便性に優れた新たな公共交通の実現に期待している。
 導入を予定するのはZip Infrastructure(福島県南相馬市、須知高匡最高経営責任者〈CEO〉)が開発中の自走式ロープウエー「Zippar(ジッパー)」。既存のモノレールに比べて整備コストが約5分の1(1キロ当たり15億円)、約1年での建設が可能など経済性に優れている。ロープとゴンドラが独立しているため、カーブや分岐などが自在で、柔軟な路線設計ができるなどの利点もある。県と同社は24年4月に「新たな交通サービスの実用化に向けた取組等に関する連携協定」も締結している。
 県が県内自治体に導入意向などを打診した結果、秦野市、松田町、寒川町も導入検討の意向を示したが、需要者数などを勘案して今回は3市を選定した。研究会では各市の特徴なども踏まえた想定ルートや利用者数、技術上の課題などを検討する。県は実用化することで工業団地や大規模事業所への通勤、観光用途などで交通課題の解決を図ることに期待する。