新社長/青木あすなろ建設・望月尚幸氏、提案型営業で他社と差別化

2025年4月3日 人事・動静 [1面]

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 大手ゼネコンで長年建築現場に携わり、コンサルティング会社で建設業の問題解決に取り組んできた異色の経歴を持つ。計画立案や市場戦略に基づく提案型営業に注力する。コンサル時代に新規事業の創出や業務改革をけん引した経験を強みに経営のかじを取る。
 --就任の抱負を。
 「辻井靖前社長の意思を引き継ぎ、全体の調和を保ちながら会社を改革していく。コンサル時代の経験を生かし、10年後の市場を自分なりに分析している。提案型営業を積極的に行い、データセンター(DC)や物流施設などで個性を出して他社と差別化する。競争での仕事ではなく当社でしかできないことを増やす」
 --経営環境をどう見る。
 「価格転嫁などの対策効果も徐々に出ているが、建設費の高騰と需要のミスマッチが生まれている。今後は大規模再開発工事中心ではなくインフラの復旧や耐震工事、再生可能エネルギー、災害復興事業といった社会ニーズに即した需要が出てくるだろう。コンバージョンや全館リニューアルを中心に『リモデル事業』に特化し、建築売上高の25%を占めるようにしたい」
 --注力する分野は。
 「建築・土木ともに、DCや冷蔵冷凍、リニューアル、風力など市場規模の成長が期待できる再エネ、耐震、国土強靱化が中心になる。提案型営業を進め、高松コンストラクショングループ(TCG)などとの相乗効果を創出する。現在、積極的に高松建設の営業力を借りて共同受注している。それぞれの領域を補完していく。大阪・関西万博で次世代水中ブルドーザー(水中施工ロボット)を披露する。貢献度の高い事業になり得る。ダム工事の浚渫などで活用したい」
 --人材確保と育成は。
 「施工管理者が本来するべき業務に集中できるよう2025年度から新事業としてスマートBPO(外部委託)を展開する。写真管理やITベンダーなど7社と連携して外販も検討している。業務を『計画・管理業務』と『事務・書類業務』に分けて内勤業務のシェアードサービスセンター(SSC)化を実現する」
 「海外技術者の採用や、施工計画・管理に特化したスペシャリストを育てる。オールラウンダーではなく、向き不向きを見定め能力を発揮してもらい社員のキャリアパスにつなげたい。個々人が活躍できるための組織改革を徐々に進める。人事制度・評価を変えモチベーションを上げる仕組みを26年度から運営する」
 --今後の展望を。
 「営業利益を確実に上げられる会社を目指して今後3年で営業利益5%以上を上げる。独自の強みを確立し、必要とされる企業を目指すことで安定した収益を確保する」。
 (4月1日就任)
 (もちづき・なおゆき)1987年日本大学理工学部卒、清水建設入社。PwCコンサルティング合同会社シニアマネージャーや日本国土開発取締役兼副社長執行役員、TCG顧問などを経て、2024年1月青木あすなろ建設顧問、同4月副社長執行役員、同6月代表取締役。趣味は茶道。座右の銘は「利他の心」。神奈川県出身、61歳。