シンガポールと五洋建設-60年の歩みと戦略・1/数々のランドマークで実績

2025年4月4日 論説・コラム [1面]

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 ◇埋め立て地の4割を施工、現地で高い評価
 2025年はシンガポールが独立して60年となる。世界的な金融、商業、観光の中心地として高度なインフラを備え、国土は一貫して埋め立てで拡大してきた。そんな同国の発展に貢献しているのが五洋建設だ。独立前年の1964年に初進出し、これまで埋め立て地の約4割を同社が施工してきた。土木・建築に限らず、数多くのランドマークを手掛けてきた同社の実績は現地で高い評価を受けている。シンガポールでの同社の歩みと現在施工している現場を取材した。
 五洋建設のシンガポール進出は同年に受注したジュロン造船所建設工事が始まり。70年代以降は、得意分野である埋め立てによるシンガポールの国土拡張に大きく貢献し、80年代からは建築分野に、90年代後半からMRT(都市高速鉄道)や高速道路などの陸上土木工事にも参入した。
 埋め立て工事では「ジュロンアイランド&チュアス埋立工事」などを手掛け、コンテナターミナルや鉄道、下水道といったさまざまなインフラの整備に深く携わってきた。同社施工の「エスプラネードシアター」は、新5セント硬貨のデザインに採用されている。
 同国の海事港湾庁(MPA)や住宅開発庁(HDB)、運輸局(LTA)、保健省(MOH)、公益事業庁(PUB)など公共機関の発注工事がほとんど。建築分野も、MOHから複数の大型病院の建設を任されている。入国管理庁(ICA)からは入国管理局が入る「ICAビル」も受注した。
 五洋建設の清水琢三社長は「海洋土木・埋め立て工事をコア事業に建築工事、陸上土木工事へと大きく発展してきた。スエズ運河浚渫工事を皮切りに、シンガポールなど各地で数々の記念すべきマイルストーンとなるプロジェクトを手掛けてきた」と自負する。
 2015年4月に国際部門の本社機能をシンガポールに移転。シンガポール本社を国際ハブとして、事業のさらなる現地化・グローバル化を推進している。同社はインフラ整備を通じて同国のさらなる発展に貢献していく方針で、清水社長は「シンガポールには長年の経験と実績、そして人材がある。技術的に難しいプロジェクトを安全最優先で高品質に完成させることで、当社の実力が評価されると確信している」と話す。
 (次回から3面に掲載)