新社長/総合資格・佐藤拓也氏、量・質ともナンバー1に

2025年4月7日 人事・動静 [1面]

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 日本で最も多くの1級建築士合格者を輩出し続ける教育機関のかじ取りを託された。受講生のニーズや教育環境の多様化・変化に応える商品を提供。高い倫理観と最新の知識を備える有資格者を送り出し、建設業界に貢献する。自主的に運営管理する組織や風土を築き、持続的な成長、発展を目指す。
 --就任の抱負を。
 「2年前に『マーケットイン』『受講生ファースト』をキーワードに、経営体制を大きく刷新した。1級建築士合格者の占有率ナンバー1を維持しているが、二つのキーワードを経営の軸に据えるとナンバー1は違うところにもある。受験生皆さまの要望や困りごとに応える商品を市場に投入し、受講生や社会に求められる会社にする。占有率ナンバー1に満足せず、さまざまな受験生のニーズに合った講義内容や受講環境などさらに質のナンバー1を目指す」
 --2024年11月に組織を改編した。
 「トップダウンの経営からボトムアップの組織に移行するため北日本、関東、中日本、西日本の4ブロック体制を敷いた。組織を四つに集約し人材を再配置して自主的に運営管理する。自分たちで会社を変えようという意識、風土を醸成していきたい。経営体制の新陳代謝も重要。社会が大きく早く変わる中、風向きを敏感に捉え、有機的な動きができる組織体にしていく」
 --注力する事業は。
 「建築士をはじめ施工管理技士や建築設備士など資格試験の講座が事業の柱に変わりはない。人と人が向き合うライブ講義という強みをさらに磨きつつ、オンライン講義など多様化するニーズに応える商品も投入する。教育のDX化にも力を注ぎ、AI活用、LMS(学習管理システム)を充実させる」
 --長く学生支援にも取り組む。
 「建築を学ぶ学生は、卒業時に建築以外の道へと進む人も少なくない。しかし建築を学んだ学生には建築の道に進んでほしい。そんな思いで建築学生のイベント支援を続け、さらに広げている。建設と教育の両業界に携わるニュートラルな立場だからこそできることがあると思う」
 --1級建築士事務所「総合資格アーキテクトスタジオ」が本格始動し1年がたつ。
 「自社物件の大規模改修や修繕の調査・監修業務、建て替えの企画・調査・監修などさまざまな経験を積み、実務経験、スキルアップという当初の目的を具現化しつつある。建築士資格の受験要件が変わり、知識はあるが現場経験のない20代前半の受験生が増えた。自社物件を講座や教材に活用し受講生に理解を深めてもらう。教育のさらなる質の向上にもつなげていきたい」。
 (4月1日就任)
 (さとう・たくや)1986年東海大学工学部建築学科卒。ゼネコン設計部を経て、99年総合資格入社。2020年11月執行役員、21年11月常務執行役員、24年6月取締役教務本部担当。23年10月から総合資格アーキテクトスタジオ代表取締役を兼務。神奈川県出身、61歳。若い頃に習っていたタップダンスを再開させたいと考えている。