空港の機能強化を進める成田国際空港会社は5月、滑走路整備工事に本格着手する。B滑走路の延伸とC滑走路の新設に必要な用地が8割以上確保できたという。2028年度末の供用開始に向け、25年度末をめどに用地確保などの取り組みを急ぐ。同社の田村明比古社長は「航空局との連携と、空港周辺自治体の協力を得て体制を構築していくという2本柱で加速化を進める」としている。
4日、田村社長が国土交通省を訪れ、中野洋昌国交相に「更なる機能強化」事業の進捗を報告した。田村社長によると、中野国交相からは▽予定通りの完成に向けた事業加速化▽航空局との緊密な連携による体制強化▽周辺自治体との協力体制の構築-などを求められたという。田村社長は「気を引き締めて決意を新たにし、事業推進に全力を挙げて取り組んでいく」と述べた=写真。
必要な用地面積は民有地743ヘクタール、公用地115ヘクタール、同社用地が241ヘクタールの計1099ヘクタール。3月末時点で、契約済み民有地と、公用地と同社用地を合わせて83%の用地を確保しているという。
同社は、成田空港の年間発着容量を30万回から50万回に拡大する「更なる機能強化」を進めている。現在2本ある滑走路のうち、B滑走路を2500メートルから3000メートルに延伸する。3本目となるC滑走路(延長3500メートル)も新設する。延伸するB滑走路は用地造成工事から、新設するC滑走路は地盤改良工事から取り掛かる。
B・C滑走路整備の関連工事のうち、24年9月に公告した「C滑走路北側造成工事」の一般競争入札(総合評価方式、WTO対象)の落札者は未公表。3月に契約済みという。
主な工事と施工者は次の通り。▽「B滑走路延伸部造成・舗装工事」=大成建設・日本国土開発JV▽「C滑走路北側トンネル整備工事」=大林組・青木あすなろ建設JV▽「C滑走路南側造成設計技術協力業務」=大林組・熊谷組・鴻池組・飛島建設・青木あすなろ建設JV。