鹿児島市は、いづろ交差点周辺地区(約7ヘクタール)を対象とした市街地総合再生基本計画をまとめた。計画期間を2044年度までのおおむね20年間に設定。第1種市街地再開発事業や共同建て替え事業などを推進し、観光客らが集う交流拠点施設の整備を目指す。同地区のうち市街地再開発事業の検討区域は約4ヘクタールで、25年度に再開発ビルの配置イメージや規模などを示す再開発基本計画を策定する。
対象区域は中町、大黒町、金生町、泉町、堀江町、住吉町の14街区。このうち市街地再開発の検討区域は金生町、泉町と堀江町の一部の8街区で、残る6街区は共同建て替えや個別建て替えなどを視野に入れる。
整備の基本方針では7ヘクタールのうち、いづろ交差点を含む西側一帯を商店街街区の機能更新を目指す「魅力向上エリア」、鹿児島港本港区寄りの東側一帯を「まちなか居住エリア」として居住推進や低層の商業施設、オフィス、ホテルといった多様な機能を誘導。両エリアの間は「拠点施設整備エリア」に設定し集約駐車場などを整備する。併せて、道路上空通路などを整備し、歩行者が快適に移動可能な空間整備にも取り組む。
市街地再開発の検討区域では月内にも地権者でつくるまちづくり協議会が設立される見通し。これを踏まえ、市は再開発基本計画の策定に向けた調査検討業務の委託先を決める一般競争入札を5月上旬ごろに公告し、6月ごろまでに開札して業務委託する予定。25年度当初予算で委託費など関連経費に567万7000円を計上した。
同地区では建物の老朽化が課題となる中、一部の地権者が市街地再開発事業を視野に都市再生の検討に取り組むことを市に提案。これを受け、市からも地区の関係者に呼び掛けを行い、24年3月に地権者約150者による研究会が設立された。勉強会開催や地域へのアンケートの結果を踏まえ、総合再生基本計画を取りまとめた。
総合再生基本計画の作成業務はアール・アイ・エーが担当。