竹中工務店/WLC可視化し評価、CO2排出量削減や情報開示支援

2025年4月10日 技術・商品 [3面]

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 竹中工務店らは、建築物のホール・ライフ・カーボン(WLC)を可視化、評価するプラットフォーム「Z-CARBO(ジカーボ)」を開発した。これまでに設計・施工一括(DB)などで手掛けた100件以上の物件情報を蓄積している見積もりシステムと連携し、AIが分析したデータを用いて建築物のライフ・サイクル(LC)を通じた二酸化炭素(CO2)排出量を定量的に評価。建設業界トップのZEB認証実績や脱炭素の技術力を生かし、顧客の事業活動で排出されるCO2削減や情報開示を総合的に支援する。
 プラットフォームはゴーレムと共同で開発。資材製造から解体まで建築物のLCを通じて排出されるCO2を可視化し、LC全体で一貫して運用することで評価しやすくなる。日本建築学会が定める建物のライフ・サイクル・アセスメント(LCA)指針や、さまざまな団体が推進する算定ツールの計算方法に準拠している。
 AIが竹中工務店の見積積算書から建築や設備といった項目や数量を自動判別し、項目ごとにCO2排出量を算定する。具体的にはAIが既設建築物の見積もりデータを学習。今後、DBで新築や改築、改修を計画する建築物の見積もりデータとCO2排出原単位を自動で連携させる。豊富なZEB認証実績を生かした独自のデータベースも構築。計画初期段階から顧客のCO2削減目標に合わせた計画の提案やWLCの予測、実績に基づく具体的な削減方法の提案などが可能となる。
 DBの強みを生かしたデータの継続的な管理により、LC全体のCO2排出量可視化や脱炭素化を支援。設計段階から実運用までのデータをプラットフォームに収集、分析し、効率的かつ的確なCO2マネジメントを後押しする。同社はプラットフォームの活用や普及に伴い、今後DBなどで計画に携わる全建築物のWLC削減を目指す。