中部地方整備局は、「災害に強いまちづくりガイドライン」を改定した。昨年発生した能登半島地震の被害を踏まえ、計画編の地震の項目に液状化対策を追加。計画編、実践編に内水氾濫の項目を新たに盛り込んだ。自治体のまちづくり計画の立案、検討などに役立ててもらい、防災・減災を推進する。
計画編の地震への対策では、耐震化や延焼火災への対策に加え「宅地の液状化対策が必要な地域のまちづくり」を盛り込んだ。ポイントとして液状化発生傾向の概略把握、宅地の液状化リスクの周知、ハード面の事前対策の3点を挙げた。ハード面の事前対策では、公共施設と宅地の一体的な液状化対策で国の補助を活用できることなどを紹介。地盤改良や地下水位を下げる工法、格子状地中壁工法による対策の推進を示した。国の「リスクコミュニケーションを取るための液状化ハザードマップ作成の手引き」の活用や住民、民間事業者、行政のリスクコミュニケーションの重要性なども説明した。
内水氾濫については、計画編で近年の被害状況などを説明。気候変動に伴い市街地の浸水が頻発化し、下水道施設の機能不全なども発生している。これを踏まえたまちづくりのポイントとして、気候変動を考慮した下水道による都市浸水対策、内水氾濫に強いまちの整備、企業・住民による雨水流出抑制などの対策を示した。具体的なメニューとして、下水道施設の耐水化や雨水貯留浸透施設の整備、関係者とのリスク情報の共有による対策意識の醸成などを盛り込んだ。
実践編では各自治体の取り組みを紹介。鹿児島市が被災リスクを踏まえ、優先順位を明確にしながら下水道施設の耐水化を進めていることや横浜市の河川、下水道と連携したグリーンインフラの活用などを取り上げた。