東北学院多賀城キャンパス跡地再開発/市が都市計画用途地域と地区計画変更案

2025年4月14日 工事・計画 [8面]

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 宮城県多賀城市は、五橋キャンパス(仙台市若林区)に移転した東北学院大学多賀城キャンパス跡地の再開発を巡り、都市計画用途地域と地区計画の変更案をまとめた。対象は「中央一丁目地区」(面積約11・6ヘクタール)。再開発はミサワホームと同社ディーラーの東北ミサワホームが主導する。住環境や商業、保育、医療など多様な機能を持つ施設を複合的に配置。北東部の野球場跡には、市が総合体育館や市民プールを集約した複合スポーツ施設を建てる。
 市が決定する仙塩広域都市計画用途地域変更と地区計画の決定案を作成した。24日まで市役所で縦覧し、市民や利害関係者から意見を募る。現地は既設建物を解体しており、6月の都市計画・変更決定後、ミサワホームが整備スケジュールを公表する。
 対象地区は中央1、2。JR仙石線・多賀城駅から徒歩圏内の中心市街地エリアにある。再開発は▽眺望を生かした住宅エリア▽商業施設と都市型分譲マンションを併設する地域のにぎわいエリア▽市民の健康づくりを支える健康増進エリア-の3エリアに区分。土地利用の方向性を明確にし、建築物の用途を適正に誘導。居住環境の悪化を防ぎつつ、良好な市街地環境の維持・保全を図る。
 区域のうち敷地東南側の8・5ヘクタールは、現行の第1種中高層住居専用地域から近隣商業地域へ変更する。多賀城文化センターや既存公共施設が立地する同エリアでは、施設の改築や利活用の円滑化を見据え調整する。準防火地域に指定し、建築物の不燃化を促進する。
 テニスコートやサッカー場跡地の2・2ヘクタールは第一種住居地域に変更し、住宅地として整備する。敷地北東の野球場跡は地区計画で複合スポーツ地区に設定。スポーツ施設は28年度以降の供用開始を目指している。
 同キャンパス跡地は、東北学院大学工学部が23年春に五橋キャンパスに移転した後、ミサワホームが取得した。同12月には市と包括連携協定を締結し、中心市街地開発や健康づくり、防災・減災など9分野での連携で合意。同社はまちづくりブランド「ASMACI(アスマチ)」を展開し、一戸建て住宅160戸、分譲マンション200戸、商業・医療・子育て支援施設などの整備を計画する。「多世代に魅力的な地域拠点」を目指す考えだ。