東京都/板橋区で下水道管新設、浸水被害の防止対策推進

2025年4月15日 工事・計画 [4面]

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 東京都は内水氾濫による浸水被害を防ぐため下水道施設の整備を急ぐ。2025年度に板橋区の西台地区と徳丸地区で新たな下水道管の整備に着手する。足立区の千住地区では25年度に新たなポンプ所を稼働。下水道幹線にたまった雨水を迅速に川に流すことで、局地的な豪雨に対応する。一部が完成した雨水貯留施設も暫定的に動かし、早期に整備効果を発揮する。
 都下水道局は1時間当たり75ミリの降雨に対応するため、くぼ地など浸水の危険性が高い67エリアを重点地区に指定し、施設を建設している。23年度までに28地区で事業が完了。20地区で着工し、残りの19地区では設計に取り組んでいる。
 板橋区西台・徳丸エリアでは、雨水を収容する下水道管を新設する。施設の大きさなど詳細は今後固める。同エリアは24年7月の豪雨で住宅の床上浸水が発生。復旧作業も重労働で、近隣住民の被害は深刻だった。
 足立区の千住地域で25年度に稼働する「千住関屋ポンプ所」は、地下約50メートルから揚水する能力を持つ。稼働後は隣接する隅田川幹線から流れてきた雨水をくみ上げ、隅田川に放流する。設置した全てのポンプを稼働すると、プール(長さ50メートル×幅25メートル×深さ3メートル)にためた水と同じ量の雨水を約2分で排水できる。
 25年度は千住関屋ポンプ所のほか台東区の「上野・浅草駅」地区で雨水をためる新たな下水道管が完成する。
 暫定稼働する貯留施設は目黒区八雲・世田谷区深沢エリアにある呑川増強幹線。既存の幹線で雨水を貯留しきれない場合、増強幹線に取水する機能を持つ。全体の工事完了時期は決まっていない。