建設業でBIMの活用が広がっている。日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)が会員企業に実施した調査によると、BIM教育コンテンツの整備に取り組んでいる企業は6割、BIM実行計画書の作成も6割を占めた。一方、BIM実行計画書を全てのプロジェクトで作成・運用している会員は一部にとどまっていた。日建連はさらなるBIMの活用推進に向け、BIM実行計画書のひな型を作成するなどの活動を予定している。
アンケートは2023年11月~24年2月に実施した。建築本部会員企業61社のうち45社が回答した。21年度に実施した同様の調査と比較し、BIMの活用度合いを調べた。調査結果は日建連が作成した「施工BIMのスタイル事例集2024」に掲載した。
社内でのBIMに関する教育の実施状況を見ると、BIM教育コンテンツ「整備済み」が26・6%、「整備中」が35・5%となり、合わせて62・1%がコンテンツの整備に取り組んでいた。「未整備」は37・7%だった。
BIM実行計画書の運用状況は、「全てのプロジェクトで作成している」は13・3%(21年度比1・7ポイント低下)、「指定プロジェクトで作成している」は51・1%(16・1ポイント上昇)。合計で64・4%(14・4ポイント上昇)が部分的な作成を含めて実行計画書を作成していた。部分的な作成を含めると運用割合は伸びているものの、全プロジェクトで取り組んでいる企業の割合はほぼ横ばいとなった。
専門工事会社とのBIM連携の取り組みを見ると、躯体モデルの重ね合わせによるBIMモデル合意での活用率は33%(10ポイント上昇)、仕上げモデルの重ね合わせによるBIMモデル合意は18%(6ポイント上昇)といずれも活用が進んでいることが分かった。施工図作成でのBIMモデルの活用率は、躯体図作成が19%(5ポイント上昇)、施工図(平面詳細図等)が14%(3ポイント上昇)、設備施工図が14%(7ポイント上昇)。いずれも21年度との比較では大きな伸びが見られず、2割程度の活用率にとどまった。