内閣官房/GX事業創出を支援、有識者WGが産業立地の在り方検討開始

2025年4月16日 行政・団体 [1面]

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 脱炭素と経済成長を同時に進める政府のGXの取り組みで、産業立地の在り方を検討する内閣官房の有識者ワーキンググループ(WG)が15日始動した。革新技術を生かすGX事業の創出に向けた支援策として産業立地や投資の促進策を検討する。脱炭素電源の近くに産業を集積するための条件や制度、調達面からの支援策などを議論する。夏ころに政策の方向性を固める。
 「GX産業構造実現のためのGX産業立地WG」が会合を開き、座長に大橋弘東京大学副学長が就いた。国内投資の加速、海外とのエネルギー価格差の縮小、脱炭素電力の活用に関する方策などを検討する。産業立地を巡っては、既存の産業集積やインフラ整備などを踏まえた集積のための条件、産業集積を進める融資、規制緩和、支援制度などを詰める。産業の創出につながる公共調達の在り方も議題にする。
 電力消費の大きいデータセンター(DC)などのデジタルインフラの整備を検討しているワット・ビット連携官民懇談会が成果をまとめる6月ころに合わせて、WGも政策の方向性などを明らかにする。
 経済産業省などの調査によると、分譲可能な産業用地の24年度ストックは1996年度の約半分となる約1万ヘクタールにとどまり、需要に対応できている都道府県は1割未満とされる。都道府県・政令市の半数が用地造成を予定・検討しているものの、用地と資金が課題となっている。
 一方で、フランスはAIに関する国家戦略を踏まえ、DCの用地候補にいずれも原子力発電所に近い35カ所を国が地域指定している。