回転窓/避難所の備え

2025年4月17日 論説・コラム [1面]

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 避難所に必要な資機材を48時間以内に届け、被災地での支援を開始するとされるイタリア。衛生、食事、睡眠に必要な機能をセットで提供する支援は「イタリア式避難所システム」と呼ばれる▼同システムを採用した初の実動訓練が3月20、21日に長野県諏訪市で行われた。長野県災害時支援ネットワークなどが中心となり、趣旨に賛同した清水建設などが協力。視察した坂井学防災担当相が避難所の環境改善に意欲を示した▼2024年に発生した地震と豪雨で石川県内に設置された避難所が13日までにすべて閉鎖された。ピーク時には4万人が避難所に身を寄せたそう。不安で不自由な生活を強いられた避難所を離れても多くの人は依然として仮設住宅での暮らしを余儀なくされる。住まいの悩みを抱える人は7割を超えると配信記事が伝えていた▼地震を教訓に備えを議論してきた政府のチームは、避難所支援から避難者支援に考えを転換するよう提言した。温かい食事や入浴機会の提供などに民間と連携して取り組むことを求めている▼不安を少しでも軽くして落ち着けるように、避難者に寄り添った支援の広がりが必要だ。

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