日本空調衛生工事業協会(日空衛、藤澤一郎会長)は16日に東京都内で理事会を開き、2025年度の建設キャリアアップシステム(CCUS)推進方策を固めた。就業履歴の登録目標数は、24年度と同様に110万件に設定した。契約額4500万円以上の元請現場で現場登録を原則化し、導入増につなげる。新規現場の登録数を、24年度実績比10%増の2000カ所とする目標も新たに掲げた。
24年度の会員企業の就業履歴登録数は約71万件となり、目標値の約65%にとどまった。25年度は現場登録の基準を契約額1億円以上から4500万円以上に引き下げ、より多くの現場への普及を促す。
日空衛は24年10、11月に空調衛生工事の協力会社を対象としたアンケートを実施した。CCUSの登録状況は186社のうち175社が「登録済み」と回答した。雇用する技能労働者については157社が「全員登録完了」とした。
一方、現場での実用化には課題を残した。技能労働者1人当たりの月平均の就業履歴の蓄積数を「20日以上」と回答した企業は57社。18社は「5日未満」、16社は「5日以上10日未満」。「把握していない」との回答も37社に上った。
理事会後に開いた会見で、藤澤会長は「CCUSへ登録するメリットが技能者に行き渡る環境が重要だ」と指摘し、適用現場のさらなる増加に意欲を見せた。