東京高速道路(KK線)などの管理運営を行ってきた東京高速道路会社は、KK線の再生プロジェクトを推進する。建築家などさまざまな分野の専門家のほか、地元住民や企業などが意見交換する「共創プラットフォーム」を組成。斬新な再生プランを練り上げ、世界から注目される観光拠点を目指す。整備完了は2030~40年代を計画している。
KK線は銀座エリア囲むように上空を通る約2キロの自動車専用道路だった。首都高速道路の日本橋区間の地下化に伴い、自動車専用道路としての役割が大きく低下することから5日に廃止。東京高速道路会社が主体となり、今後歩行者中心の空間に再編する。
KK線再生のプロジェクト名は「Roof Park Project(ルーフ・パーク・プロジェクト)」。プロジェクトに関わる発信や関係者とのコミュニケーションを頻繁に行い、丁寧なまちづくりを展開する。
同プロジェクトには東京高速道路会社や三菱地所、三菱地所設計、建築家、クリエーティブディレクター、アートディレクターなどが参画している。地元住民や企業、行政などとも連携。再生の計画検討の初期段階から事業者だけでなく、多くの人がさまざまな形で携わる。
KK線周辺のまちづくりとも連携。地上と上空のつながりだけでなく、横方向にもにぎわいが広がる仕掛けを作る。東京都とも組んで「共創的公共」の在り方を模索。共に事業を推進する。
東京高速道路会社と東京都は18日、KK線の歩行者空間への交代式「KK線リボーンセレモニー」を有楽町駅(千代田区)近くのKK線上で開いた。同社の加藤浩社長は「非常に公共性の高い事業であり、透明性の高いプロセスで進めていくことが大切だ。多くの専門家の知恵を借り、地元の方の意見をいただきながら皆さまに愛される空間をつくっていきたい」と述べた。
東京都の小池百合子知事も登壇。「地域の皆さまをはじめ多くの方と共に、いろいろなアイデアを出しながら可能性を花開かせていけたらいいなと思っている」と話した。
式では自動車専用道路だったKK線にちなみ、過去に生産されたさまざまなフォームや色の自動車が登場した。