国交省/「施工管理技士」技術検定の会場追加へ、高校生受験しやすい環境に

2025年4月23日 行政・団体 [2面]

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 国土交通省は監理技術者や主任技術者になれる国家資格「施工管理技士」を取得する技術検定の試験会場を拡大する。既存の試験会場がない都道府県を対象に、試験運営に協力する行政・教育機関を公募する試行に乗り出す。遠方の会場に足を運びにくい工業高校の生徒などが受験しやすい環境をつくり、若年層の担い手の確保につなげるのが狙い。まずは若年層の受験ニーズが大きい2級の第1次検定の後期試験のうち、土木と建築、電気工事の3種目を公募対象とする。
 土木種目の指定試験機関の全国建設研修センター(上田洋平理事長)、建築・電気工事種目の指定試験機関の建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)を通じ公募手続きを進める。両機関のホームページに募集要項を22日掲載した。都道府県などの行政機関や、工業高校などの教育機関による応募を想定。6月30日まで応募を受け付け、各指定試験機関との協議・調整を経て選定する。2026年度以降の技術検定で新たな試験会場として追加する。
 ここ数年、担い手確保の観点から、国交省と指定試験機関は受験環境の改善に注力している。24年度には学歴差を撤廃した新たな受検資格を適用し、試験問題も刷新。インターネット申請の順次導入も進む。試験会場を公募で追加するのは初めての試み。既存の試験会場がない地域の高校生などの負担となる交通費などの物理的なハードルを下げ、受験意欲を引き出す。
 現時点では2級第1次検定の後期試験を土木で20都道府県、同じ会場での受験が前提となる建築・電気設備は21都道府県で実施している。公募で追加する試験会場は1県に1会場を限度とし、土木は10県程度、建築・電気工事は4県程度に設置可能とする。基本的には追加会場を置く都道府県内の高校生などを受け入れる。選定された行政・教育機関には試験会場の確保・運営や、試験監督員の確保・実施で協力を求める。
 2級第1次検定の後期試験は種目別に例年10~11月に実施され、高校生の受験ニーズが高い。24年度の受験者数は土木で1万3608人、建築で1万9283人、電気工事で4782人だった。