ボルテックス(東京都千代田区、宮沢文彦社長兼最高経営責任者〈CEO〉)が、課題を抱える地方都市への支援に力を入れている。資金調達に当たり、地方銀行が設けている寄付型スキームを活用。地方自治体に資金を贈り、地域の持続性を高める施策に役立ててもらう。22日に大分県別府市で寄付金の贈呈式を開催。同市は温泉事業の持続性向上に役立てる。同社は「東京一極集中の是正や、資産が健全に循環する社会の実現につなげたい」としている。
同市への寄付に当たっては、大分銀行が設けている「大分銀行SDGs(持続可能な開発目標)寄付型私募債」を利用した。ボルテックスは大分銀行から2億円を調達。大分銀行はボルテックスが支払った手数料を原資に、40万円を別府市へ贈った。
同市では温泉の温度低下や資源の減少が課題だ。対応に向けて2024年3月に「別府市温泉マネジメント計画」を策定。資源量の把握や管路施設・温浴施設の老朽化対策などを段階的に進めている。寄付は同計画に基づく取り組みに役立てる。
贈呈式でボルテックスの松岡明執行役員金融法人本部長は「温泉だけでなく人的交流や産業、雇用創出など、地域が一体となってつないできた別府の美しい地域性を強化する、素晴らしい活動だ」と称賛を贈った。
大分銀行の吉武慎也福岡支店長兼博多支店長は「いいご縁で、架け橋になれて大変うれしく思う」、別府市の樋田英彦観光・産業部参事は「責任を持って温泉事業に使わせていただきたい」と話した。
ボルテックスが資金調達スキームを活用して自治体などに寄付を送るのは今回で5件目。