三重県鳥羽市は本年度、鳥羽駅周辺エリア再生ビジョンを策定する。昨年度に立ち上げた再生ビジョン策定委員会と検討部会で引き続き検討を進め、自然や観光、防災などの視点も踏まえ2040年を目標とした目指すべき方向性を示す。エリアの魅力と価値を高めるための施策や実現に向けたロードマップ、推進体制などを盛り込む。11月にビジョン素案をまとめ、市民意見を募るパブリックコメントを経て26年3月の策定を目指す。
JRや近畿日本鉄道が乗り入れる鳥羽駅(鳥羽1)の周辺は、ミキモト真珠島や鳥羽水族館、鳥羽マリンターミナルなど観光資源が豊富で、地域経済の重要エリア。市役所や鳥羽城跡なども近接するが、観光施設や店舗の老朽化が進み、高いポテンシャルを生かし切れていない。大規模地震や台風など自然災害への対策も課題となっている。
このため市は、鳥羽駅周辺エリアの再生を目指し昨年、ビジョンの策定作業に着手した。エリアの現況を整理し、将来像や再生まちづくりのテーマ・目標を検討した。目標案にはにぎわい創出や防災強化、文化継承などを挙げ、そのための取り組みとしてにぎわい拠点となる公共空間の整備や集客施設の防災拠点性の向上、鳥羽城、旧鳥羽小学校跡の利活用、交通広場の再編とエリア内交通拠点の連携強化、鳥羽マリンパークの再整備などの可能性を示した。
本年度は、海側の「鳥羽駅、佐田浜地区」、岩崎通りや錦町通りを含む「中心市街地地区」、「城山公園・鳥羽城址地区」の3地区の将来イメージを具体化し、実現に向けた施策を議論。ロードマップや施策の推進体制を検討する。
ビジョン策定業務は日建設計、事業マネジメント支援業務はURリンケージが担当している。