神戸市は、2040年ごろを目標年次とする「神戸ウォーターフロントグランドデザイン」を策定した。25年度に迎えた神戸空港の国際化などで今後変化する社会情勢を見据え、ウオーターフロント地区(中央区)の魅力向上に向けてソフト・ハード面で取り組む戦略をまとめた。LRT(次世代型路面電車)の導入やウオーカブル空間の構築などを描く。
「海・山・空を感じられる海辺空間で、港の歴史と新たな価値が交わり、国内外の来訪者を魅了する街」を全体コンセプトに掲げる。▽移動・回遊▽緑とオープンスペース▽夜景・ナイトタイムエコノミー▽民間投資による街づくり-の4分野に戦略を設定する。
ウオーターフロント地区は、港街神戸のシンボル・ポートタワーやメリケンパークがある中突堤周辺、波止場地区の京橋、民間再開発が進む新港突堤西の3エリアにゾーニング。中突堤周辺は「港街を感じるエンターテインメント空間」をコンセプトに、中突堤中央ビルなど誘客施設の再整備を行い、ウオーカブル空間の形成を目指す。
京橋では船だまりを一部埋め立てた上で緑地を整備し、にぎわい施設を誘致。水際のプロムナードに沿ってLRTなど次世代モビリティを走行させる。北側の旧居留地エリアと連携し回遊性の向上を目指す。
新港突堤西では、水域空間にマリーナを誘致し上質な親水空間を形成。次期再開発で宿泊・商業機能の導入を目指すほか、倉庫など歴史的建造物を活用したにぎわい拠点の整備を図る。