LIXILは運営する文化施設「INAXライブミュージアム」(愛知県常滑市)に、日本のトイレ文化を発信する展示館「トイレの文化館」を17日開設した。各時代を代表するトイレの実物や図版、資料などを通じて、西洋の進んだ技術を取り入れながら独自に発展してきた日本のトイレ文化を紹介する。衛生面や技術面で世界中から注目を集めている日本のトイレ。その背景にある精神文化をひもときながら、日本のトイレの発展の歴史を世界に発信する。
展示室には、江戸時代の絵図面を基に復元した木製の樋箱(ひばこ)や、白地に青で美しい絵付けを施した染付古便器、世界に先駆けて発明された19世紀イギリスの水洗トイレなどの貴重なコレクションを展示する。国産初の温水洗浄機能付き便器(シャワートイレ)など、日本のトイレ史を飾るエポックメーキングとなった製品も紹介する。
同館は昨年、LIXILの水まわり・タイル国内事業が100周年の節目を迎えたことを記念して開設された。LIXILの源流の一つである旧伊奈製陶は1924年に発足。トイレなどの衛生陶器は太平洋戦争終結直後の45年から製造し、今年で80周年を迎える。
INAXライブミュージアムの尾之内明美館長は「改めて、日本のトイレが世界に誇れる文化だと感じてもらいたい。常滑を訪れる多くの外国人にも日本のトイレ文化への理解を深めてほしい」とPRする。