産業技術総合研究所(産総研)は24日、埼玉県南東部の地下地質構造を3Dで詳細に可視化した地質地盤図の公開を始めた。軟弱な沖積層などの分布や形状、地盤の強度を示すN値などが分かる。国、地方自治体の土木・建築工事と産総研が保有する1万点以上のボーリング調査データを解析した。道路陥没事故が発生した埼玉県八潮市は、N値が低く「中川低地の極めて軟弱な地質」(担当者)と読み取れるという。
地質地盤図の公開は千葉県の一部、東京都の区部に続いて3例目。産総研地質調査総合センターのウェブサイト「都市域の地質地盤図」で無償で閲覧できる。災害のリスク評価、都市部のインフラ整備などでの活用を想定している。
埼玉県南東部は、さいたま新都心をはじめ行政、商業の機能が集まる。昔の谷にできる沖積層が地盤が良いとされる大宮台地にも分布することや、台地のさいたま市浦和区付近でも深度30メートルまでの平均N値が荒川低地部とほぼ同じ10前後となっていることが分かる。