大阪IR/30年開業へ大規模計画が始動、夢洲を国際観光拠点に

2025年4月25日 行事 [8面]

文字サイズ

 IR(統合型リゾート)の整備が進められている大阪市此花区の人工島・夢洲で24日、事業主体の大阪IRが建設本体工事の起工式を行った。来賓のあいさつでは祓川直也国土交通省観光庁長官や吉村洋文大阪府知事らが登壇し無事の完成を祝った。2030年夏ごろの開業を目指し、大阪の成長につながる国際観光拠点を構築する大規模プロジェクトが動き出した。                  =1面参照
 主催者のあいさつでは、大阪IRの代表取締役で日本MGMリゾーツのエドワード・バウワーズ代表執行役員社長兼最高経営責任者(CEO)が「大阪、関西、そして日本と世界をつなぐ新たなゲートウエーを築き、ここで生まれる出会いや感動が未来の活力につながる場としたい」と力を込めた。
 共同代表を努めるオリックスの高橋豊典執行役グループ関西代表は「日本初の統合型リゾートとして世界最高水準の施設を実現し、驚きと感動を届ける。行政や株主、設計・施工関係者と力を合わせて取り組む」と決意を示した。
 来賓のあいさつでは祓川観光庁長官が「5年後に多くの人が楽しめる素晴らしい施設が完成することを期待している」と語った。
 続いて吉村知事は「IRは圧倒的な非日常空間を生み出す。観光やビジネスの新たな需要を創出し、大阪の経済成長をけん引する起爆剤となる」と強調した。
 横山英幸大阪市長は「1兆円超の投資が行われ、年間2000万人が訪れる国際観光拠点となる。ベイエリア全体のまちづくりと一体で、未来の大阪を形づくる柱にしたい」とした。
 大阪IRと大阪府、市が策定した整備計画によると、IR全体の施設総床面積は約73万1000~84万8000平方メートル。MICE(国際的なイベント)施設やホテル、劇場、商業施設、パビリオン、カジノ、緑地・水辺空間を整備する。
 カジノが入るホテル「MGM大阪」を配置するエリア(Bブロック)の工事は竹中工務店・竹中土木・錢高組・南海辰村建設・淺沼組・松村組・森組JVが担当。他ブロックの「MUSUBIホテル」や「関西ツーリズムセンター」「エネルギーセンター」「フェリーターミナル」「結びの庭」の工事は大林組・大鉄工業・TUCHIYA・富国建設JVが行う。
 大阪IRは日本MGMリゾーツとオリックスが各41%を出資し、竹中工務店、大林組、関西電力、JR西日本など22社が参画している。
 最後に吉村知事と横山市長は「夢洲の開発を含む今後の大阪の成長に建設業界の力が不可欠」と述べ、引き続きの協力を呼び掛けた。