川崎市/新川崎・創造のもり(幸区)機能更新基本計画、イノベーションパーク形成へ

2025年4月25日 工事・計画 [5面]

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 川崎市は「新川崎・創造のもりの機能更新に向けたイノベーション拠点整備基本計画」を策定した。幸区の新川崎・創造のもり地区で、2023年に慶応大学と締結した連携協定に基づいた量子イノベーションパークの形成を目指す。エリア内のケイスクエアタウンキャンパスの既存5棟を解体し、延べ約4・9万平方メートルの施設を新設する計画。事業手法は定期借地権方式で、25年度に事業者を選定する。26、27年度に設計、27年度に工事着手し、29年度末の供用開始を予定。概算施設整備費は約255億円と見積もっている。
 事業手法は市の財政負担が少なく、将来的な行政需要に応じた土地利用が可能となる定期借地権方式を採用する。計画敷地は現在、市と川崎市まちづくり公社が事業用定期借地権契約を設定している。契約期間が30年3月となっているため、新たな事業者を選定後、両者合意の上で契約を前倒し解除し、新事業者と定期借地権契約を締結する予定。
 イメージプランによると新施設は建築面積約6400平方メートル、延べ床面積約4万9000平方メートル。高さはラボ棟約44・5メートル、商業・住宅棟約19メートル。既存建物の解体は、新事業者が施設の建築工事と一体的に行い、工期短縮と整備費の圧縮を図る。
 導入機能はオープンファクトリーやコワーキングスペースなどの研究・開発機能に加えて、国内外の研究者とその家族が滞在できるスペースも備える。就業者や来訪者、地元住民が利用できるカフェ、レストラン、ショップなども配置する。施設の整備・運営は民間主体とする。市はコワーキングスペースとオープンファクトリーなど、1000~1200平方メートルの整備・運営を担う考えだ。
 新川崎地区(幸区新川崎)は旧国鉄操車場跡地を中心としたエリア(33・2ヘクタール)。創造のもりはD地区に位置し、産学官連携の研究開発拠点形成に向けて段階的な施設整備を進めている。