東京都は首都高速道路の地下化事業が本格的に動き出し周辺環境が大きく変わる日本橋川周辺を再構築する。橋詰め広場を中心に人々が川に親しめる空間を整備。川沿いにテラスを設けるなど川に顔を向けた建築物も誘導する。両岸を自由に行き来できる歩行者用橋梁なども造ることで歩行者ネットワークを拡充。人々が集まりやすくすることで、にぎわい創出にもつなげる。
都は25日、「日本橋川周辺のにぎわい創出に向けた基本方針(取組方針Ver.1)(案)」を公表した。神田川から分流し隅田川に合流するまでの全長4・8キロが対象区間となる。
川と親しめる空間創出に向けては、沿川開発の機会を捉え、道路と民地を含めて護岸を整備。背後地と連続性を持たせることで親水性を確保する。気候変動に伴う海面上昇も考慮し、水門も配置。まちと一体的な治水対策を展開する。
景観面では、地域ごとの特性を踏まえ、護岸や親水空間、橋梁など公共施設のの演出方法を検討する。
歩いて楽しい空間にするため、歩行者用の橋を架けるほか、沿川建築物はゆとりのある配置を誘導する。低層階にはにぎわい施設の導入を促し、思わず歩きたくなる仕掛けを組み込む。川沿いの道路は再編し、連続的に歩ける構造にする。
日本橋川沿岸のうち、大手町・神田(千代田区)、日本橋・人形町(千代田区、中央区)は先行整備区間に位置付ける。
基本方針案は5月25日まで一般からの意見を募った後に正式決定する。25年度内に具体的な取り組み内容を盛り込んだ実施方針も策定。26年度以降はまちづくりの進捗(しんちょく)を踏まえてバージョンアップする。