昨年は東西交通の大動脈となる新東名高速道路の愛知県区間が開通。また、東海環状自動車道を始めとした広域交通網の整備や国際競争力を高める港湾整備など、わが国の経済活動をけん引する中部圏の基盤づくりは着実に進んでいる。一方、南海トラフ巨大地震など大規模災害に対する備えやインフラ老朽化対策、建設業の担い手の確保・育成は喫緊の課題であり、産学官が連携し取り組んでいくことが求められている。
そのような中、2027年の開業を目指すリニア中央新幹線(東京~名古屋間)の愛知県区間や岐阜県区間などの着工は、中部圏の国際競争力をさらに高め、持続可能な発展を遂げるための絶好の機会だ。昨年3月に策定した新たな「中部圏広域地方計画」では、2050年を展望しつつ、リニア中央新幹線開業を見据え今後概ね10年間で取り組む中部圏の国土づくりの指針が示された。リニア開業効果を広域的に波及させ、国際的な都市間競争に打ち勝つための都市圏づくりが動き出す。