16年4月に発生した熊本地震では多くの住宅や工場、熊本県のシンボルである熊本城、道路をはじめとする公共インフラなどが甚大な被害を受け、観光をはじめとする経済への影響は熊本県以外の九州各県にも及んだ。熊本地震からの早期の復旧・復興は熊本県のみならず、九州全体にとっても重要な課題となっている。 そこで2017年九州支社新春企画特集では熊本地震からの早期の復旧・復興と新年が明るく、実り多き年となることを祈念し、熊本地震を踏まえた今後の九州の経済見通しについて九州経済調査協会調査研究部の片山礼二郎次長に聞くとともに、進ちょくが見込まれる主要プロジェクトを紹介する。 片山氏は熊本地震による生産活動への影響は乗り越え、円安などを追い風に九州の経済は回復軌道に乗っているとし、今後は労働供給力の低下対策がカギを握ると指摘。主要プロジェクトでは民間活力を導入したMICE(国際的なイベント)関係施設や熊本地震で被災した庁舎の建て替え、国体開催などを見据えたスポーツ施設の整備計画などで進ちょくが見込まれる。土木関係では熊本地震により先送りしていた立野ダムが本体着工する見通しだ。